新社会人の資産形成・いつまでにいくら貯めるべきか

社会人になって自分の将来を考えて資産形成を始める方も多い事と思います。しかし資産形成と言っても具体的な目標がある方は別として、幾らを何時までに貯めるべきかを認識して行われる方は少ないのではないでしょうか?

何事も目標なしに開始して良い結果が生まれる事はそう多くはありません。ここでは先ず社会人となった方が何時までに幾らの資産形成を行っておくべきかを考えてみたいと思います。

一般に資産形成は先ず収入の3か月から1年分程度を確保すべきであると言います。

この根拠は社会保険制度にあります。今あなたがお勤めの会社を退職したとします。あなたは失業等給付、いわゆる失業手当を貰うべくハローワークに行かれることとなるでしょう。

失業手当は離職理由が自己の責任による解雇や自己都合退職の場合、3か月以内の支給停止期間が課せられます。端的に言えば、何か自分でやりたいことを見つけて退職しても3か月間は失業手当が貰えないのです。この期間は自助努力による生活費の確保が必要となります。

従って先ず社会人が目指す確保しておくべき資産は、3か月分の収入、近年の給与水準から考えて、略30万円×3か月=略100万円程度を目安にする必要があると考えられます。

では何時までに確保すべきか。通常、入社して半年、8割出勤を確保すれば年10日間の、入社して1年半、8割出勤を確保していれば年11日間の有給休暇が与えられます。ご自分の進むべき道を確定するには転職紹介サイトが発展している現在でも相応の考える時間は必要かと思います。また、今お勤めの先で、次の仕事に繋げるため習得しておくべき経験等もあるでしょう。自分自身を見つめなおすことに使う有給休暇の期間、社会人として必要な事項をマスターする期間を考えれば、2年から3年程度を積立期間として考えておくことが無理のない所なのではないか、と思います。

具体的には賞与1回で7万円、年間14万円を確保し、月2万円、年間24万円を確保すれば合計年38万円、3年間で114万円確保出来ます。決して無理な数字ではないと思います。

確保する方法は財形貯蓄か、新NISA(積立型)がお勧めです。財形貯蓄は給与支払時に希望金額を会社が差し引いて積み立ててくれますので、積立漏れがありません。

財形貯蓄がないなら、給与振込銀行で新NISA(積立型)を開設しておけば毎月指定日に銀行が引落を行ってくれます。もし会社で確定拠出年金を行っているなら、新NISAの構成商品も確定拠出年金と合わせた資産構成にしておくのも一考です。新NISAは自分が必要な時に一部払出が出来ますが、確定拠出年金はそうは行きません。長い目で動向を観察し、資産構成を都度変更して行く必要があります。

新NISAも同様の構成にしておき、自分の資産運用全体の動向を把握できるようにしておくことは将来の運用方法を考えて行く上で、重要なデータとなります。無論、時間の余裕がある方は、確定拠出年金は積極的に、新NISAは堅実に運用するという方法もありますが、運用間もない期間は極力シンプルに動向を把握できるようにしておく方が余分な気を遣う必要が減るのではないかと思います。

入社3年で100万円が確保できたら、次の目標は400万円です。あなたは26歳位になっているでしょう。結婚費用は結婚には費用が略300万円かかると言われています。何をやるにしても長い人生を考えれば、30歳で400万円程度の資金は確保しておきたい所です。

上記事例に従って仮に3年で114万円を確保でき、それを年3%で運用出来れば複利運用で4年目には128万円になります。

そして、次の4年間は年3%の金利で年間60万円(毎月5万円で賞与時積立なし、ないしは毎月3万円賞与時12万円積立)積み立てられれば同じく複利運用の効果で、4年間の出来上がりは251万円となります。

これで4年間合計379万円。400万円には届かないものの決して悪い数字ではないと思います。

人生には何があるか分からないから、そんなこと考えていられない、という方もいらっしゃると思いますが、何があるか分からないからこそ1つの目安を持って準備して行くことが必要かと思います。

この1つ1つ積み上げて行く、という習慣こそ人生を豊かにする重要な要素なのです。

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