本人以外の方による預金払い出しに潜む危険性

本人が入院して、あるいは介護施設に入って銀行に行けなくなったとの理由でご家族がご本人のキャッシュカードを使って払出を行うケースがあります。

配偶者だから、子供だから、兄弟だから等の理由で行われている様ですが、キャッシュカードの貸与は銀行の預金規定に違反する行為です。

銀行が知った場合は原則払出が出来なくなりますし、万一本人の相続が発生した場合、相続人から訴えられる危険があります。払出の事実は銀行の履歴に残りますし、胡麻化すことは出来ません。

安易に払出を行うよりも、先ずは銀行に事情を説明し、対応を検討して貰う必要があります。

銀行にとっては個別案件となりますので、経常業務には載っていません。窓口の係の方よりも上席にお願いして対応して頂く方が良いでしょう。もしご自身で交渉するのに不安があるときは事前にFPや行政書士等に相談し、場合によっては同行をお願いした方が良いと思います。

昨今は夫が施設に入り、費用捻出のため高齢の妻が窓口で相談する等のケースも増えていますが、窓口で額面通り法定後見人を薦められそのまま退店させられてしまうことも多い様に見受けられます。

また説明を聞いても十分に理解出来ず、何をどうしていいか分からないという場合もある様です。

銀行も法定後見を付けるには場合によっては半年以上の時間がかかる事は知っています。費用のかかる事も知っています。本来、後見を付けるまでもない方にも後見人を要求することは、ある意味無責任な行為です。

先ず銀行に行き、きちんと事情を説明する。法定後見を付ける以前に、どうすれば必要な資金を払い出すことに協力して貰えるか、現状に向き合って貰えるか、FPや行政書士等と連携を取りながら、相談し、交渉を進めることをお勧めします。

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