相続財産の調査・負の相続財産

相続財産には正の相続財産と負の相続財産があります。

そして「正の相続財産ー負の相続財産=相続税の課税財産」となります。

少し専門的に言えば、「被相続人の債務で相続開始時に現に存するもののうち、その納税義務者の負担に属する部分の金額」が負の相続財産となりますが、相続財産調査に当たっては、先ず何が負の相続財産になりうるか、を知っておく必要があります。

大きく言えば「被相続人の負担に属するもの」で、「被相続人の債務で、相続開始時に現に存するもの」や「被相続人に係る葬式費用」が対象となります。

「被相続人の債務で、相続開始時に現に存するもの」には住宅ローンや、公租公課(固定資産税など)がありますし、「被相続人に係る葬式費用」には通夜費用、仮通夜費用、本葬式費用、納骨費用、お布施、戒名料の他、通夜葬儀会場設置費用、遺体運搬費用があります。

負の相続財産調査として、先ずは以上の費用に係る領収書を整えてください。正の相続財産調査には金融機関への依頼などが必要となりますが、負の相続財産調査は以上の領収書が手元にあるか否かが重要です。紛失などのないように管理することが必要です。

一方、初七日法会費用や四十九日法会費用、遺体解剖費用は対象となりません。

その他、墓地購入費用や墓地購入ローンも対象となりません。

一旦、全ての領収書を揃えて、負の相続財産となるか否かを分類して行くことが大切です。

定年でリタイアしたとき考えること(NISAとiDECO)

60歳で定年して考える事の一つに、今後の資産積み立て方法もあると思います。

サラリーマンだっだ頃は、厚生年金や企業型確定拠出年金、財形貯蓄制度の利用などで自然に積み立てられていた資産も、退職後は自分でかじ取りをしなければなりません。

ここでは60歳以降の方が抑えておくべきNISAとiDECOの違いを見ておきます。

まず、投資可能期間です。NISAは無制限となりましたが、iDECOは65歳までです。

税優遇はNISAが運用益非課税に対し、iDECOは掛金全額所得控除、運用益非課税、受取時は公的年金等控除や退職所得控除が適用可能です。

年間投資額はNISAがつみたて投資枠120万円、成長投資枠240万円に対し、iDECOは国民年金第一号被保険者(自営業者等)の場合で、現在月68,000円が拠出限度額となっています。

ここまでは税制面でiDECOの優位性が目を引きますが、問題は途中引出しです。

NISAはいつでも途中引出しが可能ですが、iDECOは年金ですので老齢給付、障害給付、死亡一時金、脱退一時金のいずれかになります。また60歳以降で始めて加入する場合は加入後5年経過しないと受給出来ません。

運用している方の年齢が高くなるほど、予測できないときに払出が必要となる可能性は高くなる点は認識しておいた方が良いでしょう。

またiDECOの場合、金融機関への保管料等が必要となる点も認識しておく必要があります。企業型確定拠出年金の場合は勤め先が払ってくれていましたが、個人型確定拠出年金の場合は預けている個人が払う事となります。

運用を始める方の立場は千差万別で、どちらが良いとは一概には言えませんが、二者択一をする場合は少なくとも以上の点は認識しておいた方が良いでしょう。

またNISAもiDECOも金融機関によって取扱商品は違います。まずは上記の両者の違いを理解した上で、各金融機関の取扱商品やサービス、立地条件等も含めて検討されることをお勧めします。