相続手続きで共有を避けるべき理由は既に記載させて頂きましたが、実家などを残すため「取り敢えず共有」を考えていらっしゃる方に重ねてお伝えします。
「取り敢えず共有」はある意味で極めて危険な行為です。「取り敢えず共有」を選択する方には「兎に角、実家を残したい」と考える方が多いと思いますが、共有にしても処分が避けられるわけではありません。それどころか、予期せぬ危険に遭遇する可能性もあります。
「共有持ち分」は持ち分を持つ方が自由に処分できます。
担保として提供することもできます。持ち分に対して抵当権などを設定することも可能なのです。
売却もできます。ネットなどで検索していただければ、「持ち分を買います」という業者はすぐ出てくるでしょう。
問題なのは敢えて持ち分を買うという方々がどの様な方々なのか、です。
特殊な例ではありますが、過去にこのような事案がありました。
数人で共有としていた私道の持ち分の一部が、反社会的勢力に売却されたのです。
反社会的勢力の目的は、私道を通らねば公道に出られない、大地主が住む広大な囲繞地を安く購入することでした。反社会的勢力が大地主にどの様な行為を行ったか、はここでは触れませんが、最後にその大地主は相当の金額を払って、私道の持ち分を反社会的勢力から買い戻して事なきを得たそうです。
無論、これは極めて特殊な例ですが、敢えて「持ち分」を購入しようという方はそれなりの目的を持っている可能性がありますし、「持ち分」をどうしても資金化しようとする方には売却という手段が残されている、ということを頭に入れておく必要があります。
複数の相続人がいる場合には、先ずは相続人同士で合意形成することを最優先し、「取り敢えず共有」は行わないようにすることを強くお勧めします。

