終活を考えて遺言書を作成した、これで安心だ、と考える方も多いようですが、これは間違いです。遺言書の効力が発生するのは遺言者が亡くなった時です。生きている間、効力は発生しません。
先日、旦那様が意識不明になっている奥様からこのような相談を受けました。
「子供はいない。夫は、両親はなくなっているが兄弟がいる。
でも財産はすべて私に相続させるという公正証書遺言があるから、夫の預金をすべて引き出してほしい」
残念ですがその様な対応は出来ません。公正証書遺言であっても、遺言書は遺言者が亡くなって初めて効力が発生するのですから、生前では遺言書の効力は発生しないのです。預金である以上、払出には本人の意思能力が必要です。
生前に意思能力がなくなった場合の対策の1つに「任意後見契約」が考えられます。特に「移行型任意後見契約」を締結しておけば、意思能力がある間は本人が希望すれば特定の代理人に預金などの手続きをとってもらえる。一種の委任状の効果を持たせられますし、意思能力がなくなった後は本人が事前に指定した人に受任者となってもらえます。
遺言書だけでは「本人の意思能力がなくなってから亡くなるまでの期間」に対応することができないのです。
終活を考えるにあたってはこの「意思能力がなくなってから亡くなるまでの期間」への対策も重要となってきます。
また、当事務所では移行型任意後見契約の締結が間に合わず意思能力がなくなってしまった場合のご相談にも対応させて頂きます。
どうにもならないとあきらめる前に、ご相談いただければ幸いです。

